およそ11か月ぶり?にブルームーンに行こうと思ったのは、つまるところ私の身近に「ブルームーンやスワロウテイルのビバレージユニットをきっかけに、オールドインペリアルバーに行ってみたりワインについて学んだりするようになった」という話をして通じる人がいなかった、ということに起因するのだろう。
5分前に着いてもバーの前にはチェーンがしてあって、来る日を間違えたのかと不安になる…。意味なく近くのセブンに行ったり時間をつぶしてもまだ開かなくて、いっそもう隣のスーパーポテトの店内でも眺めに行こうか悩みはじめていたところに、時任さんが現れ、待っているお嬢様たちの予約の確認を始めた。
私は両隣が両方とも三人組のお嬢様で、どうしよう私だけぼっち的な気分を味わうのでは…
と若干不安な気持ちだったけど、蓋を開けてみれば両隣のお嬢様たちどちらも楽しそうに盛り上がっていて、かつ私の一挙一動を気に留めずにいてもらえるので、終始私も楽しく気楽に過ごせました。
一杯目は古谷さんが作ってくれました。
古谷さんのカクテルブログの語彙力はどこから来てるの?
と聞いて行くとかなりはぐらかされつつも最後に、
やっぱり直接お嬢様がたとゆっくり話せることが少ないから、カクテルの世界観が伝わるように言葉を尽くしています
…みたいな話が少し聴けて、なんかこう古谷さんっていつも核心に触れさせない印象で思考が掴みにくいけど、そうはいっても一番大事なところをちゃんととらえているひとなんだなあと感心してしまった。
この間の黒崎さんの「お嬢様からの視線を意識する」という話
(参考:フットマンとしての誠実さとは。(3月前半ご帰宅記) - 真夜中に」)
を聞いていたのもあって、お嬢様方は自身で思っている以上に使用人のみなさんから思われているのでは?という気がした。
チャイナブルーは綺麗な青。さっぱり。おいしかった。
二杯目は大河内さんに「お酒!!って感じのが飲みたいです。」とお願いして、サイドカー。コニャックベースのカクテル。
お酒の話がたくさんできてうれしかった!ワインの話もできたし、この間行ったオールドインペリアルバーが意外と居心地よくって、ロマンスグレーのダンディなバーテンダーさんに親切にしてもらった話などもできて楽しかった。こんなにコミュニケーション能力不足の私とでも話が盛り上がるから大河内さんはすごい、安心感がすごい…。
と、おもむろに
「…は、ご自分でされてるんですか?」
と聞かれるも、文頭が聞き取れず何かを自分でした心当たりもなく
「えっ?」
と聞き返すと、視線が私の手元に…
「えっ、爪!?爪ですか!?」
「はい。爪はご自分で磨かれてるんですか?」
「あのー、ネイルサロンで磨くだけのコースっていうのがあって、」
「あっ、なるほど。」
「せっかくだから維持したいと思って自分でトップコートだけ塗り直したり形整えたり…、びっくりした初めて気づかれました…。」
しどろもどろに説明すると、
「よろしいですねー。色がない方が着る服を選ばなかったりいたしますからね。」
と爽やかに褒めていただいた…。
形を整えてトップコートだけ塗った爪なんて私の私による私のためだけのものだから、自分から言わなければ誰からも気づかれるわけがないと思ってたから心底びっくりした~。
カウンター越しに、そもそも暗めの照明のバーでほぼ素爪が手入れされていることに気付けるとか、優れた洞察力はもはやエスパーと見分けがつかないな…。
本当のコミュニケーション能力があるひとって大河内さんみたいなひとのことを言うんだなと思います。同じ目線の高さに立ってくれて、安心して話していいんだなと思わせてくれるひと。大河内さんみたいな大人になりたいなあとお会いするたびに思います。
サイドカーはブランデーがガツンと聞いてる大人のお酒でした…。度の強いお酒をちょっとずつ飲みたい気分だったから丁度よかった。
三杯目はまたもや古谷さん。「最後にデザートっぽいのお願いします」と伝えて、イタリアンドルチェットを作ってもらうことに。
10か月ぶりに浪川さんにあったら、最初は震える子羊のようだったのに別人かと思うほど頼もしくなっててびっくりしました
という話をすると、
「その話は浪川にも直接されましたか?」
「しましたしました!もう終始、すごいねえ、ほんとにすごいね!!しか言葉が出てこなかったです。」
「よかったです。使用人はお嬢様から褒められるのが生きがいですから…。」
みたいなことをおっしゃってた。あと、最初からなんとなくこなせるけど何も学ばず時間だけが過ぎて行くようなタイプの人間もいるかもしれないですが、失敗を重ねながらも失敗からきちんと学べる浪川はえらいですね、みたいなこともおっしゃっていて、先輩なんだなあと思ったし、古谷さんはつかみどころのない印象と裏腹にやっぱりちゃんと見ているしわかっている人なんだろうという気がした。
そして「で、古谷さんの最初の頃はどうだったんですか?」と聞いたら、
「もう記憶を失ってしまいました。」
(´_ゝ`)
イタリアンドルチェットは飲むティラミスって感じで、とても濃厚で甘くてクリーミーで美味しかったです。
右隣のお嬢様がたまに話しかけてくださってうれしかった!!メイドカフェの話をしていると、古谷さんがそのお嬢様のカクテルを作り始める…。
急に良心の呵責に苛まれる。私はお嬢様とお話しできるのうれしいけど、こんな私のような二束三文もらっても話す価値があるかわからない人間と話しているより、せっかくブルームーンに来たのなら、使用人の古谷さんと話した方がいいのでは…!つまり私がこのままお嬢様ヲタクしているとお嬢様にとって損なのでは…!しかし古谷さんは黙々とカクテルを作り続けている…!よしではここはひとつ私が一肌脱いで…!
「では古谷さん、ここでお嬢様に愉快な小話をどうぞ!」
我ながらなんと素晴らしいキラーパス…決まった…と思っていると
古谷さん「えっ」
大河内さん「お嬢様(笑)、古谷は芸人ではないですよ!(笑)」
古谷さん「ガールズトークの邪魔にならないように私は静かにお酒をつくっておりまして…」
ちがうんです大河内さん古谷さんお嬢様!!わかって!!私は老婆心で良かれと思ってね…!!
痛恨のコミュ力不足!!!酔っ払いの善意、下手過ぎて誰にも伝わっていないの巻!!
しかし久しぶりのブルームーン、とっても楽しかったです。
大河内さんにも「時任がロマンスグレーになるまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、ぜひこちらにも足をお運びくださいね」
と言っていただいたし、次はそんなに時間を空けずに遊びに行きたいです。