伊豆の踊子/川端康成

集英社文庫の、ジョジョの荒木登呂彦さんが描いてる表紙のものです。
ジョジョ読んだことないけど。
表題の伊豆の踊子を含む5編が収録されています。

伊豆の踊子
真冬の清流のような清らかさがありました。
収録されてる他の作品は結構エログロエログロしてたりしてなかったりするので、そういう人がこういう作品を書くっていうのはとても意味があることのように思えました。

あらすじも解説も、これを「初恋だ」「恋の物語だ」と評してる。
そうかもしれない。そうかもしれないけど、恋じゃなければいいのになって思った。

恋まで行きつかない、あるいは恋に発展しようとする想いに気づかないようにするところがとても好きです。

この物語に「好き」とか「愛してる」とか、そんな言葉が出てきたらどんなに陳腐か。
そんな単語がひとつも出てこないのにどこか胸が痛むから、この作品が好きです。


十六歳の日記
川端康成の、祖父について綴られた日記とあとがき。
命のどうしようもなさに思いを馳せます。
改めて全ての生き物は致死率100%なんだとおもった。

死体紹介人
こんな作品を描く人が「伊豆の踊子」を書くのか…。と驚く作品。
またこの作品が伊豆の踊子と同時収録っていうのがすごい。

直接的ではないし、しつこい描写はないですが、なかなかエログロな作品ですよね…。
にも関わらずどこか「伊豆の踊子」的な純粋さもあるような気がした。

すごい男性的な目線の、男性的な作品だなあと思いました。

伊豆の踊子 (集英社文庫)

伊豆の踊子 (集英社文庫)