神聖かまってちゃん×B.B.クィーンズ「夢のENDは鳴り止まないっツアー」@ZEPP Tokyo

B.B.クィーンズ神聖かまってちゃんのライブを見に行って来ました。
B.Bクィーンズはもうほんと一流のエンターテイナーだった。きらきらしていた。
派手な特効も舞台装置も衣装替えもなく、ひたすら演奏と歌だけでこんなに魅せられるのがさすがだなあと思いました。
ボーカルの坪倉さんはピンク色のショートヘアで、銀色のピカピカのワンピースのいたる所にピンクの星がじゃらじゃら着いていて、爪も銀色、髪にもピンクの星の大きな髪飾りを付けていて、とにかくピンク!でもこんな超奇抜な格好なのに、めちゃくちゃ似合うんだよなあ。超格好いい。そんなに激しく動くわけでもないのに、ほんとに歌う姿に眼を引かれる。
それでもってインチキおじさんこと近藤 房之助さん。いやー、良い声。すごい良い声。しょげないでよBabyとか!おたけびとか!存在感ある!!


ロックンロールが鳴りやまないっがB.B.クィーンズバージョンで披露されたのを聴いて、ああ、改めてこんなに良い曲だったんだなあと思った。なんか演奏も歌声もどっしりしてて綺麗だから余計にそう感じたのだと思う。
敬子さんの「想い出の九十九里浜」も印象的だった。敬子さんがすごく可愛くて、高くて澄んでるけどしっかりした素敵な歌声で聴き入った。推せる。

はじめてのおつかいメドレーも聴いててわくわくした。
そして何より最後の踊るポンポコリン!母曰く、まだ私が言葉も発し得ぬ赤ん坊の頃、おどるポンポコリンのカセット(カセット!)をかけ、曲が終わると泣きだすので巻戻してリピートする、ということを繰り返していたそう。実質私が生まれて初めて好きになった曲と言っても過言はないでしょう。それを20歳になってはじめて生で聴けたっていうのはすごくうれしかった。本物のインチキおじさんが居る!!!!みたいな。
いや踊るポンポコリンはほんとに素敵な曲だよ…。

MCで言ってたのだけれど、B.B.クィーンズってツアーこれがはじめてだそうです。意外。
あと今のB.B.クィーンズはデビューの時の半分の人数で演奏しているらしく、サポートメンバーも紹介されてました。



そして二番手神聖かまってちゃんが登場。登場前に劔さんが登場して、安全面の注意をされてました。特にの子さんがダイブしてきた時の注意。下手に触りに行かないこと、万が一誰かが倒れたら周りの人が素早く身体を起こし、その人の周りに押さないよう注意を促すこと、できるだけの子を早くステージに戻すこと、等々を説明されてました。
の子さんはこの日のライブで2〜3回ダイブしてたのですが、そのたびに劔さんが素早くステージ袖から現れ、お客さんに押さないように注意を喚起し、数人のスタッフさんと数人がかりでステージに引き戻してました。
の子さんが居る上手側の舞台袖は、の子さんの予測不能の行動に備えてかライブの間中常にスタッフが4〜5人待機していました。
ダイブのたびに劔さんが冷や冷やぴりぴりしてる様子が見てとれるので、の子さんがダイブするたびにの子さんよりも劔さんに注目してました。

の子さんがキーボードの上に乗っかって転んだり、ヘッドセットを投げたり、ギターを床に叩きつけたりするたびに冷や冷やしたのですが、でもキーボードに乗っかった後床に頭から転んで、そして起きあがった時のの子さんの笑顔がやたらいい笑顔だったんだよな…。


かまってちゃんは12月新木場コースト以来。あの時はちばぎん病みあがりの子さんとmonoくん喧嘩みさこさんガチ切れという惨劇でしたが、今日のライブはすごい良かったです。多幸感があった。の子さんも終始にこにこでとても楽しそうでした。ほんとなんか彼が楽しそうにうれしそうにしてるとこは、5歳の男の子のような無邪気さを思わせる。彼がyoutubeに上げたPVへのコメント欄で「この人はほんとに幼稚園児がお絵描きするように曲を作るね」みたいなコメントがあって、その言葉がとても印象に残ってます。

そしての子さんは相変わらず良く眼をカッとひん剥いていて、悪魔みたいだなあと思った。


びばるげばる書店名義の動画でしか見たことがなかった「2年」をはじめて神聖かまってちゃんで聴けた。この曲辺りからぐっと演奏に引き込まれていった。2年はポップ。神聖かまってちゃんはイメージと裏腹に曲がポップ、の意味が最近わかってきた。

天使じゃ地上じゃちっそく死は、あんなに死にたいと歌っているのに、ライブだと曲のどこからも死の匂いがしない。死への衝動と生の衝動の見分けが付けられなくなってくる。

夜空の虫とどこまでもは安らか。


花ちゃんはリスかっ!は、天使じゃ地上じゃちっそく死も割とそうだけど、動画やCDで聴くと引きずり込まれそうな暗さというか死の匂いがどこかして怖いぐらいだけど、ライブで聴くとその色が消える。生きるって匂いしかしない。
高校時代、ラルクを時々聴いてたんだけど、夜中にCDで聴くと暗くて底がないところに引きずり込まれそうで怖くなる時があるのに、でもそれと全く同じ曲をライブDVDの方で聴くとむしろほっとして、それが不思議だなと思った。
ライブでは生しか体現できないってことなのでしょうか。CDは肉体と音楽を切り離してるから?歌う側の感情の入れ方の問題?その両方の複合効果?と色々考えるのですけど、不思議です。


ロックンロールは鳴りやまないっは、の子さんの「B面みたいな曲です」っていう前振りが良かった。

そしてかまってちゃんが下がり、再び転換。前説のBBゴローさんが再び登場し、の子さんと近藤さんのギタープレゼント抽選会。
入場時に受け取る大抽選会の番号が振られたリストバンドの番号をお客さんが各々見つめる中、劔さんが箱から番号の書いてある紙を引き、ゴローさんが読みあげる。
これは両方とも客席前方のぎゅうぎゅうエリアの人達に当たっててよかったです。


そして準備ができるとの子さんが入って来て、完全に自分のペースでゴローさんに絡み、一人で喋り出し、フェードアウトするような形でゴローさん退場。
そしてB.Bかまってちゃんで「夢のENDはいつも目覚まし!」
の子さんも歌ってたけど、ボーカル音量はかなり下げられてた。
みさこさんがほんとにいい笑顔でドラム叩いてるとこがとても印象的だった。可愛いし格好いい。眼に焼きつけた。
かまってちゃん登場のお馴染みSEが生演奏で聴けるなんて贅沢だなと思った。


そしてここから再びかまってちゃん単独。
11曲目レッツゴー武道館っ!☆
12曲目いかれたNEET
いかれたNEETもすごく印象に残ってる曲。優しい曲。呼吸ができるようになる曲。

13曲目、ぺんてる

アンコールのMCで客席の女の子が
「の子にずっと着いて行くから!」と叫んだら、の子さんがたぶんあんまり何も考えず「おう!」って返事して、その後会話の流れに気づいたのか「俺そんな格好良いキャラじゃねーんだよ」と照れ笑いしてるところが見てて微笑ましかった。
めちゃくちゃなのに彼の周りにたくさんの人が居る理由がわかる気がした。


そして全ての演奏が終わり、の子さん以外メンバー退場。
でもの子さんは退場せず、おもむろに歌いだした。
14曲目26才の夏休み。
色のついていない、少し黄味がかった白熱灯のような色の光に包まれて、広いステージで気持ち良さそうに自由にの子さんはギターを弾きながら歌っていた。
「26才の夏休み 僕は欠片をただ拾い集めてる」
どこか醒めて、諦めていて哀しいはずの曲なのに安らかだった。
途中からちばぎん、みさこさん、monoくんがステージに戻って来て演奏に加わった時、その瞬間はなんだか映画を見ているようで、でもそんなような映画よりもずっと心動かされて、もはやその瞬間が完璧な一つの作品のようだった。例えその前と後に何も残らなかったとしても、その瞬間は本当に完全な瞬間で、全てが充足していた。
曲が終わると、メンバーは再び退場し、の子さんは一人ドラムのスティックを客席に投げたりしてはしゃいでて、最後にはちばぎんが出てきて笑顔のままずるずると舞台袖に引きずられてった。


死にたい、とか死ねとか歌っているバンドなのに、ライブが終わった後は多幸感に満ちていた。全てが満たされていた。本当に素敵なライブだった。あの新木場コーストのライブが終わった時とは全く違う、楽しさで満ちた帰り道だった。
「良いライブだったね。」
「うん。」
「また来たいね。」
「うん」。
退場する時、後ろのカップルが素朴にそんな会話をしていて、それは何一つ嫌な感じがしなくて、この会話が今日のライブの全てだと思った。





握手会どうしようかなー、話のタネにしてみたい気がするけど、話のタネだけにお金使うほど今お金ないんだよなー貧乏なんだよなー、と後ろ髪引かれつつ早々に退場。

外に出て、帰ろうとすると、外の階段の上でフライヤーを配ってる人がいた。
「うみのてというバンドですー。」
顔を上げると高野さんだった。反対側では早瀬さんも配っていた。
映画「新しい戦争を始めよう」舞台挨拶で高野さんがちばぎんに「対バンしましょう」と言ったという話をとても思い出した。


帰り道、行きたい駅と真反対の駅に行ってしまって右往左往していましたが、
「MCをやっぱ曲の合間合間に挟むのは俺はやっぱり…」
「まー、それがバンドのスタイルだからねー。」
と彼氏を優しく諭す彼女の声が耳に残ったり、あまりにも出来過ぎなくらい素敵だった26才の夏休みに思いを馳せながら小さく口ずさむと、すれ違った人たちが「26才の夏休みが…」と喋っていたり、たぶん、あの瞬間あの空間に居た人達はみんな共通の感覚を持っていたんだと思う。
幸せそうだった。それは自分も多幸感に包まれていたからそう感じたのもあるかもしれない。
帰りの電車で、その多幸感を静かに見つめた。

セットリスト(byRO09 http://ro69.jp/live/detail/66388)
(B.B.クィーンズ)
1.We Are B.B.クィーンズ
2.ロックンロールは鳴り止まないっ(B.B.かまってちゃんver.)
3.ゆめいっぱい
4.Good-bye morning
5.想い出の九十九里浜
6.僕らの七日間戦争
7.はじめてのおつかいメドレー(ドレミファだいじょーぶ〜しょげないでよBaby〜Loveテ…素敵な僕ら〜ドレミファだいじょーぶ)
8.おどるポンポコリン
(神聖かまってちゃん)
1. ベイビーレイニーデイリー
2. ねこラジ
3. ゆーれいみマン
4. あるてぃめっとレイザー!
5. 2年
6. 天使じゃ地上じゃちっそく死
7. 夜空の虫とどこまでも
8. 花ちゃんはリスかっ!
9. ロックンロールは鳴り止まないっ
(B.B.かまってちゃん)
10.夢のENDはいつも目覚まし!

アンコール(神聖かまってちゃん)
11. レッツゴー武道館っ!☆
12. いかれたNEET
13. ぺんてる
14. 26才の夏休み


の子さんのこともみさこさんのこともちばぎんのこともmonoくんのことも決して嫌いなはずじゃないのに、曲だって時々どうしても聴きたくなってしまうのに、ライブだって良いと思ってるのに、どうして私は神聖かまってちゃんや特にの子さんに言い知れぬ嫌悪感を抱いてしまうのかとずっと疑問だった。だけどこの日ライブに行ってわかった。彼らは私の戦うべき相手に呼応して、そしてそれを全て優しく許してくれてしまうからなのだ。あとは単純に僻み。
ある種の音楽は暴力だ。そして彼らの音楽はとても優しい暴力だ。彼らの音楽を聴いてると自分の全てを許された気になってしまう。自分の全てを許してしまいそうになる。だけど私は屈したくない。死ねないくせに死にたいとのたまってる場合じゃないのだ。絶望ぶってる場合じゃない私もみんなも。
戦わなければ意味がない。勝とうが負けようが戦うしかないのだ。そして勝ちに行かなければ戦う意味がない。


それから、うみのては神聖かまってちゃんと対バンする。私はそれを信じてるわけでも期待してるわけでも夢に思ってるわけでもない。それはただの決定事項なんです。
ZEPP Tokyoのステージと外の間の壁なんてさっさと越えちゃってよ。