大森靖子・Temple Book・笹口騒音ハーモニカ@タワレコ新宿店イベントスペース

大森靖子
開始時間から少し遅れて、エレベーターで7階の新宿タワーレコードへ上る。エレベーターのドアが開くと、眼の前には視聴したりCDを購入したりしている人達の織りなすCDショップの日常があるのに、それに似つかわしくない歌声が店内に響き渡っていた。人だかりの奥を見ると、淡いピンク色のワンピースを着てイベントスペースで歌う大森さんの姿があった。
後ろの、立ち止まっていないお客さんにも届くようにと視線を遠くにも向けながら歌っていた。
いつだって剥き出しの人。どうしてそんなに剥き出しなの?と思うぐらい。もっとひた隠しにすればきっと傷つかないはずなのに。
それを観客としての私が良としているのかどうかがまだわからない。ただでもそれはとてもすごいことだと思う。ある程度の歳を重ねた人間が誰にでも出来ることじゃないもの。
だって傷つけようとしてくる人達から逃れる術がない。馬鹿にされたらその言葉がそのまま胸に突き刺さってしまいそうで。
女性であることを剥き出しにして戦う彼女に男の人は誰も勝てない気がした。だから彼女は男性に人気があるのかなあと思った。特典のために列をなす人のほとんどが男性だったから。


Temple Book
Temple Bookは女性三人組のバンドだった。みんな靴を脱いでステージに上がっていた。靴は三人ともきちんとステージ上に並べて置いてあった。
ボーカルのnekiさんはギターとカシオトーン。カントリー調の紺地に水玉だったかな、のワンピースに細身で短い丈のカーディガンにタイツを履いていた。コーラスとアコーディオンの宇井さん。紫のベルベットのワンピースとアコーディオンがなんだかしっくり来た。パーカッションのまりいぬさんは、地べたにタオルを敷いて座り、鉄琴を主に色んな打楽器を叩いたり鳴らしたりしていた。
Temple Bookは神様に愛されている音楽。そう思った。
まるで森や山や海のように、許すことも糾弾することもなくただそこに在る。
そのことにどれだけ心が穏やかになるか。
幼い頃児童文学を読んでいたあの瞬間の気持ちが蘇る。
nekiさんソロも良かったけど、Temple Bookもとてもよかった。
どこか懐かしいような、理由もなく少し泣きたくなるようなそんな音楽。
少し疲れた時に酸素をくれる。
nekiさんソロ、Temple Book、両方またライブ行きたいなあと思った。
3人の織りなす雰囲気も素敵。3人がステージにいるだけで、それがもう音楽だった。

笹口騒音ハーモニカ
タワレコを意識しているのか、黄色のチェックのシャツに黄色いFadeTで、FadeTの真ん中に持ち曲タイトルの「NEW MUSIC NEW LIFE」と書いてある缶バッジをつけていた。
おんがくのじかんで、お客さんも一緒に歌うところを誰も歌わない→笹口さん「みんな僕のこと見に来たんじゃないんですか?!」と。見に行くたびにこの光景を見ている気がする…。
もはや平和ではないは最後に笹「もはや平和ではない」客「そうですね」のコールアンドレスポンス(?)を何度か繰り返した。
SAYONARA BABY BLUEは、やっぱりとても好き。ギターの音色が波みたいに聴こえる。
優しく歌えばきっととても優しい曲なのだろうけど、笹口さんはこの曲をとても力強く歌う。
その歌声や眼がいつも胸に焼き着く。
たとえば僕が売れたらを弾き終わった後「二番はライブハウスに聴きに来てください!」と言ってこの日のライブは終了。

実は本番よりもこの日印象に残ったかもしれないのは、リハで演奏していた「僕の家」でした。
こないだ聴いたうみのてバージョンより、今日の笹口騒音ハーモニカバージョンの方がなんだかしっくりした。
歌放題を久しぶりに聴けてうれしかった。初めて歌放題を聴いた時に即アルバム購入を決意したほど。
終盤は笹口さんのこめかみに汗が伝っていた。
MCでは「NO MUSIC NO LIFEは『音楽がなければ生きていけない』って意味ですが、僕は音楽がないと生きていけないように見えるかもしれませんが、実際は美味しいご飯があれば全然大丈夫です。」みたいなこと言っていて、なんか「音楽がないと生きていけない」よりずっと格好いいと思った。これだけ毎日のように音楽を奏で続けているのに。

セットリスト(https://twitter.com/#!/shu369/status/198356898297286656より拝借)
おんがくのじかん
うるう年にうまれて
NEW MUSIC,NEW LIFE
歌放題
もはや平和ではない
SAYONARA BABY BLUE
たとえば僕が売れたら



タワーレコード新宿店のイベントスペースのどこが素晴らしいって、舞台面が高いところ。これに尽きる。後ろからでもばっちりくっきり!しかもステージ横に大きなモニターまでついてる。
せっかく無料でやるんだから、ファンだけじゃなくてCD買いに来たお客さんに見てもらえなきゃ意味ないしねー。
あとついでに7階アイドルコーナーとかも見てたんだけどいやあ、素敵ね。アイドル関連の書籍も試聴も充実していて、半日くらいここで潰せそうだと思った。
それで当初の予定ではBUBUKAでも買って帰るかと思っていたのだけれど、Temple Bookがあまりにも素晴らしかったのでアルバムを衝動買いしてしまいました。これだけ色々無料で見聞きして、しかも無料で5曲入りスプリットCDがもらえるというのがあまりにも申し訳なくて、せめてどれか一枚でも買いたかったというのもある。
CDを購入した人優先でスプリットCDをもらえ、そしてサインもいただけるというイベントだったので、ありがたく享受しました。

nekiさんにとても優しくしていただいて、サインもらうためにCDのビニール開けてたら「ごめんなさいね開けづらくて」とお気づかいいただいたあげく、開けたビニールを引きとっていただいてしまって大変申し訳なかった…!
色々物を落とすわ、サインをお願いした後「どこにサインします?」と聞かれて散々てんぱったあげくどぎまぎしながら盤面に書いてもらい、てんぱったあげくTemple Bookじゃない笹口さんにもTemple Bookのアルバムにサインをお願いしてしまった…!その瞬間とっさに思いつかなかったんだけど、スプリットCDの盤面にお願いすればよかったんじゃん…!と後から後悔。

Temple Book

Temple Book

でも素敵な音楽を紡ぐ二人のサインが同じ盤面に並んでいる、というのはなんだかとてもうれしかったのです。ほんとに。
帰ってから眠るまで、ずっとTemple Bookのアルバムを聴いていた。今も。