潮騒 三島由紀夫

ある時期の男の子の眼には女の子ってこういう風に眼に映るんだなあとというのが女性の私にも垣間見れてうれしかった。
シンプルだけど力強い作品。
もうなんか最近は恋愛小説とか読んでも、はいはい色恋沙汰ごちそうさま。ってなってしまうことが多かったんだけど、なんかこれは純粋にどきどきできた気がして良かった。
私にとってはちょっと異質な時代と舞台になる島の環境がそうしたのかもしれない。

主人公の男の子の新冶のことを素直に好きだと思った。もう罪と罰のロジオンも、こころの先生も「私」も何というか、頭でっかちでうぬぼれの強くて繊細で面倒でいけすかない感じがしてあんまり好きじゃなかったんだけど、なんか新冶はいいなと思った。
初江のお父さんが言った言葉が印象的だった。
「男は気力や。気力があればええのや。」
そういう人は好きだし、自分もまた気力のある人間になりたいなあと思った。

潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)