夜、部屋の光に反射する窓に目をこらしながら、コンクリートに跳ねる小さな水のしぶきを確かめる彼女の横顔はただ美しかった。
私も虚しいけれど、彼女にもきっとそういう日があるのだろう。
身の程をわきまえられない不毛さと、身の程をわきまえているがゆえの不毛さを秤にかけても答えが出ない。
ガード下、散歩している犬の後ろを俯いて歩いていると、乾いた地面に小さな肉球の跡が連なるのが見えた。