石炭をダイヤモンドに変えること、それは化学なのか魔法なのか

11/23

小さい頃、私は二つの魔法を知っていた。
一つは、かけっこで必ず一番になれる靴。練習でどんなにがんばっても2番にしかなれなかったけど、本番の運動会でそれを履いて行くと必ず1番になれた。足がきつきつになってもギリギリまで履いてたぐらい信頼している靴だった。そのぐらい絶対的な効果を発揮してくれた。いつのまにかその靴は存在も私の意識からも消えていたけど。
もう一つは、好きになった相手が必ず自分のことを好きになってくれること。
二つの魔法は小学校に上がるころにはもう使えなくなっていた。
そして今私の使える魔法は一つだけ。自分の書いた話が必ず私の生活する内のなんらかに変化を及ぼすこと、呼応すること。
だから何かを変えたい時知りたい時私はそれを想って書く。
その効果の及ぶ範囲を触れてくれた人にまで広げたい。だって自分の世界を何も変えてくれない物語なんて価値がないから。