人間が人性を許さない時代

超時空要塞マクロスを見終わって、何より驚いたのは登場キャラクター達に限りなく普遍的な「人性」が与えられていたことだった。
キャラクターに神性しか与えられていない物語は当然神話になる。
でもマクロスは限りなく生身の人間の話だった。
「可愛い女の子」の権化であるミンメイでさえ、愛される一面だけじゃなくて、戦渦の街を駆け抜けようとする未沙を心配して追いかける輝に「行かないで輝!」と無様に叫んだり、未沙もミンメイと輝の久々の再会をぶち壊してしまったり、戦争が終わってからの輝は状況に流されてばっかりで何一つ格好いいところがなかったりした。
「こうあるべき、こうありたい」に全く感情が追いつかず、理想と真逆のことをしてしまうだとか、悪気なく悪いことをして誰かを傷つけたり怒らせてしまうこと、倫理や道徳を突破する感情に従ってしまうこととか、そういうのは全部、特別な悪人や善人だけが起こす話ではなくて、普遍的に誰にでも起こる心の機微だ。


直近に「武道館」を読み終わって、「生身の10代の女の子相手に人性を許さず、神性しか認めないこと」に思いを馳せていたところだったから、ああーアニメのキャラクター、しかもアイドル系美少女キャラクターにまで人性を持つことが許されていた時代があったのか…とショックを受けた。