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イルカのグラン・ジュテ

イルカのショーを見た。

どんな経緯で、この水族館に来たんだろう。

野生の生き物に芸を教え込んで見世物にすること。

肯定していいのかわからなくて、どことなくうしろめたさを感じている間にショーがはじまった。

 

グラン・ジュテ。階級制の強い社会において、バレエの観客はその跳躍を、階級を飛び越えることに重ねる。だから高く跳ぶほどにそれは自由を意味する。

と、昔読んだ本にそんなようなことが書いてあった。

 

高く高く舞うイルカの跳躍に私はそれを何度もおもった。

たかが人間風情が縛り付けられるわけねえだろ!!という自由と跳躍がそこにあった。

人間を背中に乗せてパフォーマンスする姿、人間を口に乗せて高く跳ばす姿。

イルカたちは、私がおもっていたよりずっとプロだった。

 

水の中なら人間よりイルカがうまく振る舞えるのは当たり前だし、陸上なら、イルカより人間の方がうまく振る舞えるのは当たり前だし、

ああでも人間だって動物だって、最大限自分の呼吸しやすい場所を模索しつつ、それでも今いる場所を生き抜くしかない。

彼らは私の100倍それを悟っているように見えた。自然にいる時の生き方と水族館での生き方は違う。

ここで生きるためにこの場所で高く跳ぶんだってこと。