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書を捨てず、家を出る。

新鮮な喜びや楽しさを感じることと、鮮烈に傷つくことの重さって等価だったのかもしれないと思った。

臆病な私は嫌なことがあるとつい

「ああ、この瞬間さえなければ嫌な気持ちにならずに済んだかもしれないのに」

と思ってしまいがちだけど。

 

全てに慣れきり、大きな喜びもなければ哀しみもないまま日々を暮らしていると、どんどん心が錆びついていく。

傷つくと、ああ、そういうことに真剣に傷つく余地がまだ私にはあったのか、と驚く。

 

新鮮な喜びも、鮮烈な哀しみも、知らぬ間に自分を覆い尽くしていた世界の膜に切れ目を入れる。

その隙間から見える新しい景色を見るたびに、世界の広さをまた一つ知る。