赤の他人のご近所さん

スーパーに行くと、向かいから女性が歩いて来た。

あれーめちゃくちゃ顔を知ってるな、なんでだろう…と思ったら、朝、私と同じ時間の同じ電車の同じ車両の同じ場所に大体いつもいる人だったからだ。
同じ駅から毎朝同じ電車に乗るんだから、よくよく考えてみなくともそりゃ自宅からの最寄りが同じってことだ。

でもそういえばあの人、最近見かけなくなった気がする。

 

鮮魚コーナーでもう一度すれ違った時、その人の鞄に妊婦さんのマークが付いているのが見えた。

当たり前に視線すら合うことなく、赤の他人としてすれ違ってゆく。名前も知らないひと。でも、

おめでとう。お大事に。

ささやかに祈った。

 

あの憂鬱な満員電車に、気付かぬ間に乗り込むひともいれば、一人、また一人、知らぬ間に降りて行く。