孤独のグルメの井之頭五郎はなぜ「お酒が飲めない」というハンデを背負わなければいけなかったのか

※私は原作の漫画をほぼ読んでいないのでテレビドラマ版孤独のグルメを前提にした記事です

 

孤独のグルメの主人公井之頭五郎はなぜお酒が飲めないというハンデを背負わなければいけなかったのか」これを明確に意識したのは、テレビドラマ版ワカコ酒を見てしまったから…

 

対して孤独のグルメ井之頭五郎。背広姿で働く中年の自営業、男。そのスペックは一人外食の世界の中では圧倒的強者だ。一人でらーめん屋に行っても寿司屋にいっても、居酒屋へ行っても牛丼屋へ行っても「あの人浮いてるな~」とはならないだろう…。

だけど私は五郎ちゃんを女な自分と全く違う強者な生き物だな~と妬む気持ちにはなれなかった。

それにはいくつか理由があるけれど、最大の理由はやっぱり、私は女であるというハンデを背負っているが、五郎ちゃんはお酒が飲めないというハンデを背負っている、という点にあると思う。五郎ちゃんは私のハンデを完全には理解できないだろうが、私もまた五郎ちゃんのハンデを完全には理解できない(なぜなら私はお酒が飲めるから)その点において私と五郎ちゃんは対等だ。

孤独のグルメでは、劇中で何度も五郎ちゃんはお客さんやお店の人から、「えっ!?下戸なの??その顔で。」と言われては「よく言われます。」と苦笑いする。

それは、ワカコ酒で主人公が隣の隣の席のカウンターに座っているサラリーマンから「えっ!?女一人で外食??」と思われたことと同質のものだろう。

ここは少なくとも今現在、そういう社会だから。しょうがないで済ませられないけどただただそれが今の現実だ。

だからこそ、背広姿の男性である五郎ちゃんは、それでもあらゆる属性の視聴者と対等な存在であるためにお酒が飲めない人物である必要があった、私はそう思います。

別に女一人でご飯を食べているからといって誰からもどうとも思われず、お酒が飲めない人に対して全員が「そうでしたか」としか思わない社会が実現した時にようやく、五郎ちゃんのモットー

モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず 自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・

 を誰もが完全に達成できる日が来るのだと思います。